何者にもならなくていい。
ずっと、10年以上私は何者かになれると思っていたし、何者かにならないといけないと思った。
高校にいた普通の、平凡な人たちより自分はずっとすごいことを成し遂げることができる人間だと思っていたし、その「何かすごいこと」を早く成し遂げて早く私を馬鹿にしてきた人たちを見返してやりたいと思った。
私は何者にもなれないと気づきのに10年以上もかかった。
頭では、私は「他の人とは違う」と分かっていても実際には人を見下してるが故、友達がいなかったり恋人もいない、仕事も転職を繰り返して安定してない。
30歳になってももうすぐ定年の親のスネをかじっては心配ばかりさせている。
もはや「何かすごいこと」が何かもわからず頭で考えていることと自分の状況が違いすぎて辛かった。
何も才能がない。好きなこともない。やりたいこともない。色々挑戦してみたけど何一つ続かなかった。
なのに、いつも「存在しない何か」を追いかけてた。疲れた。
周りの人やSNSを見るたびに自己嫌悪に陥った。
今は時間をかけてでも何もできないスキルも経験もない強みもない自分を苦しいけど受け入れないと。と思う。
私は何者にもなれない。ということを。
だから、地道に仕事をして美味しいもの食べて、たまに好きな旅行に行ったり遊びに行くのが今の私に必要かなと思う。
サラリーマンの父親のように。
子供の頃、父親のように毎日毎日来る日も来る日も退屈な仕事をするような大人に将来なりたくないと思っていた。
でも、父親はその仕事で家族を養い私の援助もやってくれている。
それが大人になるということなのかな、と最近は思う。